メガヒヨの生息日記

メガヒヨ(観劇、旅行、鳥好き)のささいな日常

メガヒヨ in NY2014 その1《The Phantom of the Opera編》

2014年10月28日 | NEWYORK

Nick Adamsくん主演の『Wicked』をカリフォルニア州サクラメントで楽しんだメガヒヨ。
そのまま夜行の飛行機に乗り、翌朝にはNYに到着していた。
まず最初に観たのは『The Phantom of the Opera』、不朽の名作オペラ座の怪人である。

この作品を最後に観たのは2006年のロンドンだったので、何やかやで8年ぶり。
あのNorm Lewis氏がアフリカ系初のファントム役を務めると聞いたので、何が何でも観なくてはとチケットを取ったのだ。

月曜ソワレだったので、残念ながらクリスティーヌの本役Sierra Boggess嬢は休演。


今回の座席はこんな感じ。下手ブロック3列目。
最近のマジェスティック劇場は新興国からの観光客でいっぱいと聞いていたけれど、この夜はそうでも無かった。
落ち着いた雰囲気の中でショーを楽しめたよ。

Normさんの怪人はいうまでも無く歌が上手かった!!
よく響く声で、クリスティーヌでなくても虜になってしまいそう。
ひとつひとつの音を丁寧に歌いあげていて、繊細かつ雄大。
この役に本当にふさわしい!!

そうそう。ブロードウェイ版で今まで見たことの無かった、気絶したクリスティーヌを抱き上げるシーンもあったよ。
(今まで観たのは気絶したところにマントを掛けるだけのパターンだった)
さすがNormさん、2008年の『The Little Mermaid』でオリジナルのKing Tritonで見せたあのたくましいボディは伊達ではなかった!!

アルタネイトのクリスティーヌ役、Mary Michael Pattersonさんも良かった。
声もよく出ていたし、まだ若いのか美女というより美少女。
本役についていてもまったく遜色ないと思う。
(と思っていたところ季節は流れて2014年10月現在、彼女が本役についていた♪)

さて。そんな感じで完璧なNormさんのPhantomを楽しんでいたところ、終盤で思いっきり意表を突かれた。

ラウルをパンジャブの輪に引っかけたNorm Phantom。
その喜び方がとんでもなく激しかった。
もう全身でヒャッハーってな感じ。

Normさんの「革命」っぷりにメガヒヨは座席でひっくり返りそうになった。
…舞台がエラいことになっている!! 25年以上続くPhantomの歴史への大きな挑戦だぁ!!

このNormさんの役作りに関してはツイ友さん達も大きく反応していた。
「型破り!!」 「斬新!!」 「新解釈!!」

というか言っちゃっていいかな!?
これすごい好み!!

もちろんHoward McGillinさんが演じた完全無欠のPhantomも忘れられないけれど、
面白いものが無条件に大好きなメガヒヨ。
こういう予想外の動きをしてくる演者に心惹かれてしまうのである。

もちろんこの新解釈はNormさんの並みはずれた歌唱力、演技力あってこそであるのは言うまでもない。
並みの実力のものが行った場合、単なる奇抜なものとして扱われるリスクが高いのではないだろうか。
伝統的なものに新風を吹き込む場合には、持ち前の能力を大きく問われるであろう。


大満足の観劇だった。
カリフォルニアからの長旅の当日で疲れていたにも関わらず、出待ちを決行。

Normさんは出てこられるのに一時間くらいかかった。
楽屋への訪問客の方が多かったのもあるけれど、あのメイクだものね。

素顔のNormさんは、大スター様なのにとても気さくで優しい方だった。
日本から観に来たといったらハグしてくれたよ
「Porgy & BessやLittle Mermaidを見ました。今日も感動しました。いつか日本に来て下さい。」と言ったところ、
「ああ、もちろん行きたいよ!!」のお答え。
社交辞令かも知れないけど嬉しかった!!

Sierra嬢やRaminさんなどの大物が来日されている昨今。
プロモーターの方々には頑張っていただきたい!! Normさん招聘が現実のものになるよう願うのであった。


メガヒヨ in アメリカ西海岸その6 《Wicked 入り待ち出待ち編》

2014年10月20日 | メガヒヨのホリデイ

前回までのあらすじ
Wicked 1st National Tourに出演中のNick AdamsくんとKyle Brownくんを観に、カリフォルニア州・サクラメントまでサンフランシスコ経由でやってきたメガヒヨ。
Nickくんの31回目の誕生日を全身全霊で祝う目的もあり、ボトルシャンパンなどのプレゼントを携えて観劇。
ショーを堪能した後に楽屋口に向かったのだが、残念ながら彼らは出て行った後だった。
あわれなメガヒヨの命運やいかに!?


おそらくメイク落しに時間がかかっていたと思われるElphaba役のEmma Huntonさんが出たのが最後だったのだろうか。
彼女が帰った後はお客さんもいなくなってしまった。

呆然と立ち尽くすメガヒヨ。
こういうときに湧いて出てくるのは悲観的な考えばかりである。

次の公演地のオクラホマは無茶苦茶遠い。サクラメントからは、アメリカ大陸の横幅半分くらいの距離がある。
グーグルで調べたら、休まず運転して27時間かかる位。
彼らは車で移動するので、日曜のマチネに出演したらオクラホマの水曜の初日には間に合わないかも知れない。
アメリカは千秋楽より初日を重視するので、もしかしたら三番手のFiyeroに明日の公演を任せて出発しちゃったかも!?
そんな想像をめぐらせていた。

そこに声を掛けてきたのが自転車タクシーの青年。さっきからお客さんを探していた様子。
せっかくだから、これでホテルまで帰ることにした。
初めての自転車タクシーだったけど、彼らに会えなかったがっかり感でテンション上がらず。

 
身も心も重いメガヒヨを乗せて漕いでくれたお兄さん。
料金は乗客が決めるというチップ制だった。
いまいち相場が分からないので迷っちゃったな。日本のタクシー料金くらいに払ったけど。

ホテルに戻ったメガヒヨ。
こともあろうにNickくんへ不安な気持ちを自己流英語でツイートした

「今夜のWicked楽しかったけん。でも残念ながら楽屋口で誕生日プレゼント渡せなかったけん。明日のショーには出演するぞなもし?」

「シャンパンは日本に持ち帰るには重すぎるけん。」

「もしショーに出演するなら、開演前にプレゼントをスタッフさんに預けとくけん。」

ついでにfacebookの自分のタイムラインにも彼らに会えなくて悲しい気持ちを書き込み、眠れぬ夜を過ごしたのであった。

明くる朝。
Nickくんからツイート返しがあった。

「うん、出演するよ! 今夜は会えなくてごめんね。」

何て優しいんだろう。相手はスター様で、こちらが一方的に押し掛けているだけなのに。

Kyleくんからはfacebookにコメントがあった。

「会えなくてごめんね。キミが来ていたの知らなかったんだ。まだこの街にいるのなら今日のマチネ前に会えるよ(にこにこマーク)」

ありがたきお申し出。しかも顔文字付き♪
いうまでもなく、楽屋口でファンの相手をするのは義務ではなく全くの好意である。
彼らの思いやりにひたすら感謝するのであった。

ホテルに荷物を預けてチェックアウトした後は、カリフォルニア在住のクワストさんと合流した。
本当なら昨日に観劇をご一緒する予定が、おうちの急用でキャンセルとなりこの日となったのだ。
既にこのツアーのWickedはご覧になっているのにもかかわらず、貴重な休日をメガヒヨにお付き合いして下さるなんてありがたい。

この日のチケットはソールドアウトなので、開演2時間前のロタリーで席を狙うことになった。
ロタリーはモルモン以外経験がないので興味深かった。抽選を待っている間に現地の方々とも話せたりして。
持っていたプレゼントの切り絵をほめられたりして嬉しかったなぁ。

抽選が始まりドキドキしながら名前を呼ばれるのを待つ。
しばし経ち、最後から2番目あたりにメガヒヨの名前が呼ばれた。
つくづくついてきたなぁ!!

 
ロタリーでのチケット購入者にはこんなバッジがもらえるよ♪

それから開演まで時間があるので、クワストさんがランチに連れて行って下さった。
そのお店はカクテルのミモザがお代わりし放題という夢のようなお店だったのだけど、昨夜はほとんど眠れていないメガヒヨ。
Nickくんにちゃんと会えるかどうかの不安もあって、食事も飲み物もほとんど喉を通らなかった。申し訳ない。


食事後、劇場楽屋口で劇場スタッフさんにNickくんへのシャンパンと手紙を預ける。
もし本当に会えなかった場合はこれだけでも彼らの手元に届くといいものね。
ちなみにここらへんの英語はクワストさんに頼り切りだった。本当にお世話になりっぱなし。

ところでこのメガヒヨ。Kyleくんのメッセージの"before the show"の真意を量りかねていたので、入り待ちはしないつもりでいた。
出待ちをすればいいかなと思ってたので。

でもクワストさんが「一応入り待ちもしてみましょう。」と勧めてくれたので楽屋口から少し離れたところで待ってみることにした。
これは大正解だったと後で知ることとなる。

待ち始めて数分後。メガヒヨがNickくんのモテモテ話をしてた瞬間、彼らが現れた。
想定していたのと逆の方向からやって来たので、不意をつかれたよ。
つくづく話していたのが日本語でよかった…(笑)


さっそくプレゼントの切り絵を渡した。これは手渡し出来て良かった~!!


クワストさんが撮って下さった、彼らの写真を撮るメガヒヨ。
背中から幸福感がにじみ出ている(笑)


念願の、Priscilla以来の3shot


「この切り絵、どうやって作るの?」なんて聞いてくれている。
説明するだけの英語力もないけど、そうやって感心を示してくれるのが嬉しかった。


ばあちゃんがお年玉をあげる構図…ではなく、サインペンを取りだすところ。


Nickくんのすてきなおうちが載っているイタリアのインテリア雑誌(この記事についてはコチラ)にサインをもらったのだ。


「Kyleくんも書いてね。」と日本語で頼むメガヒヨ。
しっかり通じ、ハートマーク付きのサインを書いてくれた


このイタリアの雑誌を取りよせるというストーカー並みのわざをこなしたのは、世界のファンの中でもメガヒヨ一人だけみたい(笑)
そんなわけで二人のサインが揃った雑誌も、世界でこれ一冊のようである。
これはいずれ、Nick Adams Museum(将来建設予定)に寄付するつもり。 


とにかくNickくんには一年ぶり、Kyleくんには二年ぶりに会えたので幸せのあまり興奮状態だったメガヒヨ。
普段から貧弱な英語力がさらに働かなかった。
クワストさんには始終通訳をしていただいた。
写真も沢山撮っていただいたし、心の底から感謝するばかりである。

ひととおり話した後、「ショーが終わった後にも楽屋口に来てもいい?」と聞いてみた。
そしたら「うーん。今日は最終日だから何時頃に出てくるか分からないよ。」とのNickくんのお答え。
この真意は入り待ちならOKといったKyleくんのメッセージと重なることとなるのだけど、それを知るのはまた後となる。


入り待ちで無事NickくんやKyleくんに会えて幸せな気持ちでいっぱいのメガヒヨ。
プレゼントも渡せたしね!
これでショーを心置きなく楽しめる!!


この日はメガヒヨ、最前列で観劇。
事前に取ったチケットの席とロタリーの席を、クワストさんに代わってもらったのだ。


ほら舞台がこんなに近い。


足元には舞台装置の配線が。
アダプターにはWickedのロゴが。


やっぱり最前列は迫力が違うなぁ。
歌もダンスも堪能したよ。本当にありがたや。 


終演後、やっぱり出待ちにチャレンジ。
メガヒヨが楽屋口にたどり着いた瞬間、NickくんとKyleくんが慌てた様子で出てきた。
あれ? 遅く出てくるって話じゃなかったっけ!?

「Nickく~ん!!」(メガヒヨの声はサザエさんの花沢さんで想像してちょ)
「うわ、つかまっちゃった…」


メガヒヨがNickくんを捕獲(笑)した隙にKyleくんは数メートル離れたところまでダッシュしてしまった。
他のファンにつかまって時間をロスしたくないみたい。余程急いでいるんだなぁ…。


そう察したにも関わらず、「写真あとちょっとだけ撮らせて!!」とお願いするメガヒヨ。
王子様は苦笑しつつ受け入れてくれる。


このときメガヒヨともう一人いた女の子の写真リクエストに応じてくれた。
目の前にいるファンを極力がっかりさせない、Nickくんの矜持を見たよ!!

写真を撮り終わった後、他のファンにつかまる前に彼ら二人はダッシュで去って行った。
Grinda役のGinaさんも走っていたし、よほどスケジュールがきつかったんだね。
先を急いでいるにもかかわらず親切にしてくれたNickくん、どうもありがとう!!

てな訳で今回得た教訓。
・出待ちするならツイッターで告知。
・ツアーの場合は宿舎が近いので、よほどなメークでない限り楽屋口から出てくるのは早い。
・ツアー最終日の出待ちはほぼ不可能と考えるのがよい。
ぜひとも次回に活かそう。

それにしても、今から考えれば土曜日夜の出待ちは出遅れて正解だったかも。
土曜日に会えていたら開演前に時間を割いてくれることもなかったかも知れないので、白昼下の写真は撮れなかった可能性があるものね。
結果的にクワストさんとご一緒できたのもこの日曜日で良かったし。
世の中、何が転ぶか分からないものである。本当にラッキーだったし、Nickくん、Kyleくん、クワストさんにはとっても良くしていただいた。


彼らはショーで3時間歌って踊った直後、本当にそのまんま車でオクラホマに出発したようだった。
二人にお礼メッセージを送ったメガヒヨ。開封やお返事の時間で
「あ、今はNickくん運転中…。」
「あ、Kyleくんに交代した…。」とすぐに分かった。
Nickくんは道中の様子を「今Wickedトラックを追い越したよ」「現在○○通過」などと、twetterで中継をしていた。

そして出発から30時間後の深夜。
メガヒヨはニューヨーク着後、オペラ座の怪人を観劇・出待ちしてホテルに戻って寝る頃に彼らの到着をリアルタイムで知った。
交代とはいえアメリカ大陸半横断をノンストップで走りきったことはすごいよね。屈強な若い男性二人だから出来たことかも!!
感心すると同時に無事故を喜び、今後の公演の成功を心から願うのであった。